業界の裏側……。
気になるものの知らなければ良かったと思う瞬間も多々あります。しかし、私達の生活を支えている外食産業においては、裏側を知っておくことで自分を守ることにも繋がるかもしれません。衝撃的な事実が書かれている『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル教えます。』は、発売当初から大反響を及ぼしている一冊です。
皆さんは、どれくらい外食を活用しますか?
子供の頃、親の手作り料理を食べるのが当たり前だった家庭で育った場合、外食は非日常を味わえるワクワクしたものです。しかし、大人になるにつれ、外食の機会は増え、非日常が日常へと変わっていきます。中には、家でご飯を作るという方もおり、外食は特別な時のみ。という方もいるかも知れませんが、おそらく少数派なような気がします。特に働き盛りの20代・30代(特に独身男性)は、作る以上に外で済ますという人が多そうです。何かがきっかけで外食の回数は減り、食材を自分で買うようになり、自炊をする。外食は高いから、コンビニ弁当やお惣菜屋さんを活用するという人もいるでしょう。
基本、仕事やプライベートで忙しいから、外食に頼らざるを得ないのが現状でしょう。
さて、外食が当たり前になった昨今、どのような基準でお店を選んでいますか?
しっかり作ったものを提供してもらっていると思っているお店でも、実はそうでないというケースもあります。アルバイトでも見栄えが綺麗なご飯が提供できるお店は、キッチンで作っておらず、簡単に出せるような仕組みを構築しています。よく言えば、どこへ行っても味が変わらない安定したクオリティですが、ご飯で感動することは少ないし、その味を繰り返し覚えてしまうと味覚は成長しません。さらには、長く持たせるため、添加物を使用したり、少しでも安い食材を工夫して使ったりと、裏を知ると損した気持ちになります。企業努力と言えば聞こえは良いですが、高いお金を払って食べることを考えると残念な気持ちになります。
すべてのお店がそうではなく、しっかり作っているお店もあります。できることならそういったお店で食べたいですね。チェーン店に限らず、個人店においても当たり外れの見分け方など、本書に書いています。さらに外食産業の細かな業界ごとに裏側が書かれているため、とても勉強になります。
食事は身体を作るだけでなく、心の安定も図ります。心も身体も健康状態を作るには、自分が食べているものをきっちり理解することが大事です。著者の先生のように、味や香りで何が使われているか見分けるのは相当の熟練度が必要ですが、知っていれば世界が変わる一冊です。
外食が好きな方はもちろん、食産業の秘密を知りたい方は、楽しみながら読めるでしょう。ぜひとも知識を自分のものにしてください。